氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

 アイツがあんたを尊敬する理由、今なら十分すぎるくらい、わかるよ。

「お礼は。ほっぺにチュウでええよ」
「バカ」
「ところで。あの男、誰?」

 ……え?

「サリーちゃんと観客席にいた。胡散臭い優等生みたいな」

 沙里と?

 まさか――

「黒髪のイケメンならエリちゃんの中学時代の友達だってさ、ナリ」
「トモダチ~?」

 ……チサト、来てくれたんだ。

 試合見ずに帰ってしまうんじゃないかって心配したけど。

 よかった。

「今日の試合で、彼にアイスホッケーにハマってもらいたいんです」
「りょ」

 わたしの頭にポンと手をのせると、成澤がヘルメットとスティックを持って控え室を出ていく。

「行ってくる」

 アイツがボソッと呟いて同じように控え室をあとにした。

「じ、自分は足を引っ張らないようにします……!」

 真柴くんも続く。