氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「絶対に?」
「あ、いや。合わないって人もいるだろうけど。わたしは本当に……魅了されて」

 押し付けは、よくない。

  まずは見てもらって

 それからチサトが、どう思ってくれるか。

「もちろん強制はしないよ」
「それなりに賞状やメダルもらってきたけど。氷の上に立ったことなかったな」
「興味、出た?」
「そうすれば纐纈と関わる時間も増えて。惚れ直してもらえる可能性ある?」
「……っ、それは……」

 チサトの気持ちは嬉しい。

 でも、応えることはできない。

「もう少しはやく戻ってきたら。それとも。あの頃、気づけていたら。今、纐纈の心の中は僕でいっぱいになったろうか」

 正面から包み込まれ、

「……ちょっ」

 チサトがわたしを抱き締める力があまりにも強くて、離れられない。