氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「纐纈によく似た女の子の写真がSNSで流れてきたときは。驚いた」

 チサトのとこにも届いてたんだ。

 あの写真でわたしに気づいて、それで、またチサトとわたしを繋いでくれたとは。

 つくづく人生って何があるかわからない。

「ホッとしたよ」

 ……え?

「元気そうで」
「そうだよね。わたし。チサトの前では、弱音吐いちゃってたから」

 チサトが転校したあとは、そんな相手もいなくなった。

 ひとりぼっちになって

 男子を味方につけて、助けてもらった。

 というよりは

 そうすることでしか自分を守れなかった。

「女の子に生まれてきたくなかった――とか言ってたけど。その後はどう?」
「よ、よく覚えてるね……!?」

 わたしが放った、くだらない文句。

「ふとしたときに思い出してた。纐纈のこと」

 ……わたしだって。

 わたしも思い出すよ。

 チサトと過ごした日々の記憶は

 苦い思い出の中にある、たった一つの宝物だから。