やってきたのは、当麻氷河。

「何に使われるかわかったもんじゃないので」
「ふーん。じゃあ氷河の写真で稼ごうかな」
「売れませんよ俺のなんて」
「いけるいける。最初はナリとセットにして。すぐにピンでも――」
「ピンは……!」

 しまった、思わず口を挟んでしまった。

「冗談だよー。氷河は見た目いいけど塩対応すぎるから向いてない」

 藍さんの言葉に胸を撫で下ろしたとき、

「敢えてそこを売りにできないこともないですけどね」

 天ちゃんがすかさず意見する。

「まーね。ひたむきにアイスホッケーしてる姿は、あたしでもグッとくるし~?」

 アイスホッケー部が応援してもらえるのは嬉しい。

 そのためにできることをやるべきだ。

 ならば、ここは当麻氷河アイドル化計画を進めるべきか?

 いや、でも、

 あくまでアイスホッケーの面白さを理解しつつ試合中のアイツに魅力を感じて欲しいわけで。

 写真持ち歩かれるのは、違うというか。

「あと。マメシバくんは年上受けがいいに一票」

 わたしもそう思う。

「……成澤選手のだけでいいです」
「あれあれ? 天ちゃん。どうしたの?」「行きますよ」

 そそくさと歩いていく天ちゃんを見て、ニヤッと笑う藍さん。

 面白がっている。