――――!!

「部屋まで送ってく」

 どんどん?

 こんなにワガママなのに?

「歩けるか。それとも。担がれてーか」
「おんぶがいい」
「なら、乗れ」
「う、ウソだよ。歩ける!」

 疲れているだろうに、そんな様子は一切見せてこないのが当麻氷河らしい。

「ねえ」

 立ち上がり、ベッドからおりると

 アイツのシャツを軽く引っ張る。

「塩キャラメルの味。どう思う」

 甘さとしょっぱさって。

 バランスいいのか悪いのか判断に迷う。

 もちろん好みの問題によるだろう。

 わたしは、正直好きじゃなかった。

 ……あんたにもらうまでは。

「知らね」
「好きだから持ってたわけじゃないの?」
「イチさんに渡された」

 塩分と糖分でエネルギーチャージとか?

 汗をたくさんかくから。

「ちゃんと食べなきゃダメじゃん!」

 部長からのプレゼント。

「なら。返してもらうか」

 なにそれ。
 
「……もう返せないよ」
「まだ残ってんだろ」