氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「小さな妹が。いるんだ」

 ――――!

「年のわりに昔からしっかりしたやつではあるんだが。俺がいなくなったら家には母さんと二人になる」

 そうだったんだ。

「きっと、話せば反対されない。これまでもそうだった。好きなようにやらせてきてくれあ。だから、余計に話せない」

 家族を海外に連れていくのはそれこそハードル高いし、かといって残していくのも心配なんだね。

「頼れる親戚は。いない」
「成澤は……なんて?」
「俺の家族の面倒もみてくれると。だけど。そんなことまで頼れないだろ」
「頼っちゃえばいいんじゃないですか」

 俯きがちだったイガラシさんが、顔をあげる。

「わたし。嬉しかったです。さっきイガラシさんが、自分に助けを求めていいって言ってくれたとき」

 仲間っていいなって、思えました。

「成澤は、なんていうか……セレブすぎて。助けるのスケールが尋常じゃなくて、受けるこっちも気が引けてしまいますが。結局成澤も嬉しいんですよ。イガラシさんがアイスホッケー続けてくれること。素晴らしいプレイヤーが育つこと。それだけアイスホッケーが好きなんです」