氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「におうか」
「あ、そういう意味では……!」

 うっかり声に出てしまっていた。

「けっしてクサイとかじゃなくて。人のニオイってみんな違うじゃないですか」
「へえ」

 気分悪くさせちゃった!?

「い、イガラシさんのニオイは。いいニオイです」
「なんだそれ」
「とにかく。落ち着きます」
「犬かよ」
「え?」
「どんくせーのに。嗅覚鋭いんだな」

 笑われてしまった。

 小バカにされた感じではあるが嫌味がない。

「使ったあとの防具なんかは。放置してるとヤバい」
「そうなんですか?」
「靴もな。消臭剤使ったり、洗えるものはマメに洗って干したり」

 見えないところでそんな努力まで。
 
「鞄に突っ込んだままにしてると――地獄だ」

 想像したくないです。

 そうか、だったら練習のあと疲れてるからってすぐに眠るわけにもいかないんだな。

 ほんと選手は大変だな。