「始まりますね」

 コートの1/4が空いた。

 いや、空けられたんだ。

 当麻氷河とイガラシさんのために。

 残り3/4では、ゴールやパック以外に障害物を置くなどして様々な練習が行われている。

 そのうちの1つのゴール付近では、ゴールテンダーとしての動き方を坂本先輩と真柴くんがトレーニングしていたのだが――

 2人がパックを集め、アイツに近づく。

「坂本先輩と真柴くんが当麻氷河にパックを渡す役ですかね」
「というよりは。彼らは五十嵐くんからなにか学ぶ気ですね」
「なるほど。……あ、そうだ」

 ビデオ撮らなきゃ。

 一騎討ち100発。

 しかと、おさめておこうじゃないか。