……ほんとに?

「試してみたかったんだよね。ベスト8とどこまで戦えるか。そのための作戦」

 じゃあ、あれは?

「イガラシさんのこと。信じてるから、信じてってのは?……あれも嘘なんていわないよね」

 成澤。

「なんでなにも答えてくれないの」

 なにか言ってよ。

 言え。

「ごめん。悪いクセが出た」

 ――――!

「今のは本心じゃない。適当なこと言った」
「……成澤」
「ちゃんと、話す」
「うん」

 ちゃんと、聞く。

「スティックもパックも。サインを書いてもらったユニフォームも、棄てられたし」

 ――恨んでいいと思うよ

「縁を切られかけた」

 成澤がイガラシさんに放った言葉が脳裏をよぎる。

「助けてくれたのが、祖父と。それから血が半分しか繋がってない、兄だった」

 あれは、自分に向けられたメッセージでもあったのだ。