氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「たいした選手いてへんな」

 気づけば2階席にいた他校の生徒が増えていた。

 といっても全員で5人もいないけど。

 観客席からの声は、案外リンクまで届いているそうだ。

 もちろん試合が始まると集中して聞こえないようにしている選手もいるが、ベンチにいる選手には届く。

 応援も、そして、ヤジも。

 たいした選手いないとか失礼だな。

 悪口を言いに来たの?

 うちのアイスホッケー部は全国的に見たら無名かもしれないけど。

 インターハイは夢のまた夢かもしれないけど。

 すごい熱いんだから……!

 なんてマネージャー歴1ヶ月足らずのわたしが叫びそうになっている。

 ガマンガマン。

「成澤さんのスピードは噂通りや」
「レベル高いな」

 でしょでしょ。

 疾風のごとく滑るでしょ?

 と、自分を評価されたわけでもなんでもないのに嬉しくなってくる。

「シュートのコースも悪ないし。あれが第3ピリオドまで続くならうちに欲しいわ」
「スタミナどのくらいあるん?」

 というか。

 関西弁……?