「氷河の話をしてるときの君は。一段とかわいーね」
「なにか言いました?」
「べつにぃ」
「なによ」
「俺さ。このあと合コンなんだけど」

 もはやイメージ通りすぎて驚きもなにもない。

 合コンってあれでしょ。

 男女が集まってワイワイしたり、そこからカップルが誕生するやつ。

 ……絶対苦手なやつ。

「君も来る?」
「は?」
「なんかさー。女の子の方が少ないらしくて」

 数合わせってこと?

 それでもわたしが行くのは場違いでは。

「スイーツ食べ放題。もちろん奢りで」
「餌でつろうとしないでください」
「イケメン揃ってるよー? まあ俺が一番だけど」
「なら期待値低いですね」
「怖いの?」
「……は?」
「君、実は人見知りっぽいし。合コン未経験だからビビッてるんだ~?」
「そんなことない!」
「じゃあおいでよ。君の知らないアイツのこと教えてあげるから」

 ――アイツのこと?

「知りたいだろ。イロイロと」
「だとしても。アイツのことで、なにか聞きたくなったら。そのときは本人に聞くから」
「そんな勇気あるんだー?」
「当麻氷河に質問するくらい、余裕」
「氷河とは、ひとことも言ってないよ」
「……っ!?」
「君にコミュ力があること証明してよ」
「なんで……わたしがそんなこと」
「逃げるの? じゃあ君の不戦敗ってことでいい?」