氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

 ひとつめ?

 他に何かあるような言い草だ。

「俺は試合には出ない」

 ――――!

「出てくれないと困る」

 そうか

「全ピリオドに君が出るなら受けるってさ。驚いてたらしいよ、向こうの監督。君のセーブ率聞いて」

 これが、2つ目の条件。

「ジュニア時代の成績だ。今、格上相手に出せるなんて考えていないよな?」
「それでも驚異でしかないよ。7年間、出場した試合はセーブ率90%超えが当たり前で。最後の1年なんて。99%を維持した」

 きゅ、

「99……!?」

 100本打たれて1本入るかどうか。

「いつかNHLに出たいって。夢みたりしたんじゃないの?」

 ほぼ、不可能に近い。

「おかしいだろ。お前のとこのゴールテンダーが場内にいるのに俺が出るのは」
「坂本も納得してる。むしろ見たいってさ。君のプレイを」

 坂本さんは、受け止めるしかなかったの?

 インターハイベスト8を相手にゴールを守れるのは今の自分ではないと。

「俺が断るのわかってどうしてそんな無茶な条件」
「今からキャンセルできなくもない」
「すぐに中止しろ」