氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「またそうやって。(えぐ)ってくる」

 成澤が、切なげに笑う。

「五十嵐くんさ。昔からツッパってたのもあるだろうけど。単純にチームが合わなかった、とは考えらない?」

 ――チームが?

「君にあった環境を周りが用意できなかった」
「そうじゃない」
「才能がある選手がみんな、子供時代に、自分のレベルにあったチームでプレイできるかっていうと。残念ながらそんなわけなくて。北海道も。ましてや海外も、そう容易に行きたいなんて言えないよね」
「環境のせいじゃない」
「いい加減、解放されなよ。自分ばかり責めてどうするの」

 イガラシさんが

 自分を、責めてる……?

「俺はさ、五十嵐くん。親父から『アイスホッケーなんて野蛮なスポーツやめろ』って反対されて。話に耳を傾けようともせず、じいちゃんに買って貰った、生まれて初めての自分のスティックもパックもスケートも勝手に棄てられて」

 ――――!?

「それでもなんとかアイスホッケーを続けてこられたのは、俺自身に強い反発心があったのは重要だよ。でも。やっぱり後ろ楯が――協力者や資金がなきゃ全部失ってた。少しくらい恨んでいいと思うよ」
「俺の家のこと。どこまで調べた」
「そうだね。君をどこか自分と重ねてしまいそうなくらいには」