あ、天津さん……?

「それこそ。今年は盛り上がってるらしいラグビー部なら欲しがると思うけど。特技でしょ、客寄せパンダ」

 感じたのは、強い拒絶。

 どうして忘れていたんだろう。

 みんなから好かれるなんて無理だって。

 わたしは、敵を作りやすいって。
 
「ラグビー部って。えっと。真柴くんがいたとこだね」
「一生懸命な人をからかうのは。あんまりだと思う」
「……なんのこと?」
「気持ちに気付いてて思わせぶりなことしてるよね」

 まったく話がみえない。

「纐纈さんは藍川さんと買い出しに行ってきて」
「……でも、天津さん」

 天津さん一人で全部を片付けるのは、大変だよ。

「リストならそこにあるから。仕込みもあるし、なるべくはやくお願い」
「うん。わかった、行ってくる」