氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「ああ。一応言っておくけどナリとあたしの間に男女関係は一切ないから。キスも一方的なの一回だけだし。それからしばらく避けて。今みたいにスルースキル身に付けてからは、ヘンなことにはなってない。たぶんナリのことだから……あたしのファーストキスを奪ったこと覚えてない」

 それはどうだろう。

 あの男の記憶力は並外れたものらしいから、日付けと時間まで覚えているかもしれないぞ。

 なんてことは、藍さんには言わないでおこう。

 傷口に塩を塗るようなものだ。

「どれだけホッケーしてるときカッコよくても恋する相手じゃないってこと。わかってくれた?」

 今なら、どうなんだろう。

 変わり始めた成澤は

 女の子を傷つけるようなことするかな。

 誰かからまっすぐな想いをぶつけられたとき、どう応えてあげる?

 間違っても真剣に告白して茶化すようなことはなければいいなと願う。

 それとも、

 人を遠ざけてしまうだろうか――。