「兄ちゃんカッコいいからな! 時雨と違って腹黒くないし!」
「このチキン誰が運ぶの手伝ってやったと思ってるのかな」

 そうか、2人は途中から一緒だったんだ。

「それはっ……時雨が」
「せっかく女の子といたのに呼び出すとか。これだから子供は」
「いつカノジョできたんだよ」
「別に彼女じゃない」
「えー!」
「彼女作るのは面倒だって何回言わせる」

 時雨くんの腹黒さがさっそく現れたぞ。

 懐っこい笑顔の裏にこんな一面が。

「えりなちゃんみたいなカノジョ欲しいなー」
「僕もエリナさんなら付き合ってみたいかも」

 年下ボーイにモテてしまった。

 悪い気はしない。 

「残念だったな。依里奈は俺のだ」

 弟相手に勝ち誇るなよ。