氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「ケアしてるからね」
「染めなければ黒か」

 根本が伸びてきてるからわかったのだろう。

 そろそろリタッチしないと。

「真っ黒だよ」
「想像できないな」
「しなくていいし」
「黒髪の頃の写真。見てみたいかも」
「……見ないで」

 なんで、とは聞かれない。

 昔のこと知ったらどう思うかな。

「小学生の、頃さ。わたし」
「うん」

 普段そんなにちゃんと相づちうってくれないのに。

 こういうときは優しく返事してくれるんだね。

「今よりずっと背が低かったのに。今よりずっと体重あって。……デブっていじめられてた」
「そうか」
「うん」

 ビックリした?

 案外どうでもいい?

「食べることが好きだったんだよね」
「いいと思うよ」
「え?」
「よく食う子」