氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「……氷河くんが、かわかして」

 なーんて甘えてみたり。

 コンセントにプラグをさすアイツ。

 ……イヤって言わないんだ?

「来いよ」
「うん」

 氷河くんの前に背を向けて座ると

 ドライヤーのスイッチが入れられ、

「うまくないぞ。普段自然乾燥させてるから」
「教えてあげる。風は上からあてて、根本からかわかすイメージだよ」
「なるほどな」

 氷河くんの長い指がわたしの髪を何度もすり抜けていく。

 いつもなら煩わしいはずの作業でさえも、2人一緒なら特別になっちゃうんだね。

「この色。地毛ではないよな」

 中学のときから染めている。

「自然な方が……いい?」

 暗めが好みとか。ありうる。

「いや。単純に、ダメージ与えてる割には綺麗だなと。柔らかいし」

 そういうことか。