氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

 念入りにシャワーしたあと

「お先……です」

 アイツと入れかわりで部屋に入る。

 借りた上下黒のスウェットは、一番下の弟くんの、まだ一度も使ってないものだと説明された。

 ズボンの裾は余っているがロールアップすれば大きすぎるというわけでもなく、ゆったり着られて快適だ。

 飾ってある写真を眺めたりアイスホッケーの漫画を読んでみたりするも、なんだか落ち着かなくて。

 すごく読みたかったはずなのに今は文字もイラストも頭に入ってこない。

 いよいよ、わたし、するんだ――って考えているうちにアイツはやってきた。

 濡れた黒髪からは水滴が滴り落ちていて、肩にタオルをかけ、白のシャツを着て紺のジャージを履いている。

 当たり前だけど湯上がりって感じの姿にドキリとしてしまう。

「ドライヤー持ってきた」
「ありがと。服とか歯ブラシも……助かった。新しいの使わせてもらって、ごめんね」
「いいよ。他になにか欲しいものあるか」

 ブラとパンツつけてないからスースーする。

 けど、こればかりは借りるわけにもいかないな。

 なんか。

 お泊まりしに来たみたいだなあ……?