「わたしを入部させるつもりあったんですね」
「もちろん」
「……成澤のやつ」

 面白がって、【恋愛禁止】なんて偽ルールで、わたしたちを振り回して。

 女の子と軽い気持ちでイチャイチャして。

 それでも、

「やっぱりいい顔してる」

 氷の上ではホントに輝いてやがる。

 好きなんだな。

 アイスホッケーが、心から。

 そう感じたとき、白鳥さんがシャッターをきっているのがわかった。

 見つけたらしい。

 彼なりに思う、キラリと光る瞬間を。

 すごい集中力。

 誰を撮っているのか、なんてすぐにわかった。

 白鳥さんと、フジオ先生

 傍にいる2人の男が見つめていたのは、

 技術も熱量も人一倍ある当麻氷河でも、駿足なスケーティングをする成澤でもなく――

「居場所。見つけたようですね」

 あの、真柴くんだったんだ。