「力也くんが、ああしてコーチしてくれてるおかげでゴールテンダーが育ってますね」

 ええっと。

 うちの部のゴールテンダーは、2年の坂本(さかもと)さんと。

 あれ。

「……ひとり!?」

 これじゃあ大会で控えのゴールテンダーいないじゃん。

 というか大会に出られる人数でもないけど。

「背番号。決めておいてください」
「マネージャーも?」
「ユニフォームに名前と一緒に印刷します。他の選手と被らない番号でお願いしますよ」

 そっか。

 藍さんや天津さんがジャージの上から羽織ってるやつ。

 ユニフォーム、欲しい……!

「新しい名簿です」

 フジオ先生から受け取ったのは、名簿だった。

「きゅ……9人」

 少ない。

 真柴くんが部員になっても、10人。

 廃部の2文字が頭をよぎる。

 今日練習に来てるメンバーで全員だ。

 この広いリンクを9人で貸しきれるのは贅沢すぎるが、6人対6人の試合ができない。

「そして。マネージャー3名ですね」
「3人……えっ、これ」

 わたしの名前が印刷されている。

 番号だけ空白のまま。