氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「あの箱とって」

 ロッカーの上の段ボールを指差したのは、今すぐそれが必要だったわけじゃなく。

「わたしじゃ絶対に届かないし」

 単純に、照れ隠し。

「なにが入ってるんだろうね」

 目の前のアイスホッケー男子の顔が少し赤く感じるの、気のせいかな。

「さあ」

 運命とかわからないし

 会った瞬間ビビッときたわけじゃなかった。

 けれど、

「軽い」

 高いところにあるそれを、ひょいとおろしてしまうところとか。

 思い付きの掃除に、なんだかんだ付き合ってくれてるところとか。

「なんも入ってねーな」
「ほこりっぽいし捨てちゃっていいかな?」
「行ってくる」
「だったら。わたしが――」
「ついでに昼飯も調達してくる。おにぎりの具、何派?」
「……ツナ!」
「ガキ」
「は? 美味しいでしょ、ツナ」
「少しでも進めておけ。さっさと切り上げて帰んぞ」
「はやく部屋に連れ込みたいって言った?」
「言った」
「……っ」

 なにげない日常で、この人のことをどんどん好きになっていくんだ。