「手に入ったら?」
「おしまい」
「……プリンは本当に食べたい人に渡るべき」
「ほんのちょっと味見して。あっさり棄てちゃうのもまた快感っていうか」
「人でなし」
「たぶん、俺はモノを粗末にしかできない。いくらでも代わりがあるんだ。使い切れないくらい」

 サイコパス――っていつものように言えたら、よかった。

「なのに絞る必要性ってどこにある?」

 言えなかった。

「そこで、エリナちゃんに提案があるよ」

 だって成澤は――

「俺と一回だけ関係持たない?」

 笑っているのに笑っていないみたいだったから。