「よくここを片付けたいと思うねー」

 部室の扉をあけると、相変わらずゴチャゴチャしている。

 おまけに今日はこの前より埃っぽい。

「助かった。鍵は明日の朝、2年の教室まで返しにいけばいい?」
「あのさー、エリナちゃん」
「なに」
「部外者がリンクに行くのはちょっとーって躊躇ってるのに。部室には平気で滞在するわけ?」
「部室って言っても。倉庫でしょ」
「ここ、一応貴重なものもあるんだよ」
「そうなの?」
「ただのガラクタに見えるかもしれないけど、海外から取り寄せたものもあるんだ」

 海外の方が日本より遥かに豊富に取り揃えてありそうだもんな、練習道具。

「ゴールネットやぶって補修できないと、小さくても取り替えるのに数万。俺は壊しても弁償できるけどさ。エリナちゃんは庶民なんだから。取り扱いは、慎重にね?」