わたしも、あんたの好きなものを好きでいられることが嬉しい。

 今は、にわかだけど――

「そのうち初心者なんて言わせないくらいハマってやるんだから」

 強気に出たわたしとは裏腹に

「でも」

 と、当麻氷河が消えそうな声で囁く。

「お前の口から五十嵐さんの名前が、そう何度も出るのは――」


【ムカつく】と言って

 アイツはわたしをうしろからギュッと抱き締めてきたんだ。