「いやー。君のおかげでうちの店も繁盛してるよ」

 笑顔でやってきた、オーナー兼店長。

「ミルクティー飲み放題に加えて。サンドイッチ食べ放題もつけよう」

 経営者としてその大盤振る舞い、どうなんだろう。

「チョコクロもオススメだよ」

 わたしがアイスホッケー部に必要と思わせるために、なにができるだろう。

「白鳥オーナー」
「なんだい」
「動いてるもの。撮れませんか」
「え?」
「すごくスピード出てるものを写真におさめるのって、難しいとは思うんですけど」

 もし、わたしが白鳥さんみたいに素敵な写真を撮影できたら?
 
「そうだねえ」

 白鳥さんの目が、輝く。

「まったく読めない動きをされると難しい。でも。ある程度の予測ができるなら、躍動感のある写真を撮るのは楽しいよね」
「本当に?」
「流し撮りは。シャッターを押すタイミングが重要かな」

 携帯のカメラだと限界あるだろうか。

 それを含めてアドバイスが欲しい。

「今日ってわけじゃないんですけど。テスト期間終わったら……夏休み入ってからでも。お店、閉めたあととか。少し時間作ったりできませんか」
「デートの誘いかい? 真夜中のドライブデートは夜景が綺麗だろうなあ」
「夜景よりもっとキラキラしたもの。撮りたいんです」