手を出してきたのは、アイツ。

「どうします。別れますか」

 だけど火をつけたのは、わたし。

 ……なのかもしれない。

「それとも。諦めますか」

 どうしようもない、けど。

「アイスホッケーのこと、もっと知りたいんです。アイツのことも傍で……応援だってしたい。部内恋愛していても周りに迷惑をかけないで勉強を疎かにしないって約束します」
「そんな約束。要りません」
「え?」
「欲しいのは不確かな確約でなく。確証」

 ――カクショウ

「君がアイスホッケー部に必要な存在である、ということと。うつつを抜かしていようとも文武両道を貫けるということを証明してみなさい」