氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「昔のことは、できれば知られたくなくて」

 知られるのも時間の問題だろう。

「なぜです?」
「……また、傷つくのは嫌だから」

 今はわたしを羨ましい目で見てくる人も。

 わたしに優しい人も。

 手のひらを返し、バカにしてくるかもしれない。

 元デブが調子のんなって。

 言われなくても、思われるかもしれない。

「わざわざ暴露するようなことでもないと思いますし」
「嘘ですね」
「なんでそんなこと言うんですか」
「だって君は、今こうして私に話しているじゃないですか」

 …………!

「先生は。そういう仕事の人だから」
「そういう仕事、とは」
「だから、その……立場的にヒドいことは言わないし。話も聞いてくれて」
「あなたの心の傷は。今も癒えていないのです」

 克服できたならば、もっと自信を持てるだろう。

 もっと自分が好きになれるだろう。