テーブルを借りてお弁当を食べていると、

「ベジタリアンですか?」

 椅子にかけている先生がコーヒー片手に問いかけてきた。

「……そういうわけでは」

 唐揚げもハンバーグも食べられる。

「睡眠も食事も。十分にとっておかなければ、そのうち倒れてしまいますよ」

 わかってる。

 体力つけなきゃマネージャーの仕事だってつとまらない。

 もっとちゃんとメニュー考えていこう。

「ごちそうさまでした」

 手を合わせ、お弁当をなおす。

「紅茶でもいかがですか」

 いやいやいや。

 ここは、途中からでも授業に戻れっていう場面では。

「私の与太話にお付き合い下さい」

 なんでだよ。

「すみません。急いでるので――」
「中学生の頃、私は、体重を増やすまいと気をつけていました」

 ――……!

「しかしながらスタミナや筋力を落とすことはできなかったので。高タンパク低脂肪を心がけながらも、鉄分はしっかりと摂っていましたよ」