氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。



「失礼します」

 どこか、懐かしい香りがした。

「養護教諭いないね。職員室かな。呼んで来ようか?」
「大丈夫。ベッド借りてるよ。沙里はチャイムなる前に教室に戻って」
「なんかあったら飛んでくるから連絡して!」
「沙里は。優しいね」

 こういうのが。

 ……友だちっていうのかな。

「なにいってんの。白鳥さんの写真のことが原因で、しんどくなってるなら。……責任感じるし」
「白鳥さんも沙里も悪くない」
「でも」
「これは。わたしの問題だから」
「……エリナ?」
「ありがと。ちょっと横になったら戻る。単語テスト、受けなきゃだし」
「オッケー。先生には、ここにいること伝えておく」

 沙里と別れ、ベッドに一直線に向かう。

 カーテンを閉めると布団に倒れるように寝転んだ。

 ……本当に、懐かしい。

 この場所がかつてわたしの安息の地だった。