氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「なんにも考えずに教えるからそうなるんだろ」
「は?」
「ナリさんからのアプローチ。嬉しいんじゃねーの」

 ありえないし。

 迷惑に決まってる。

 あの男からのセクハラを喜ぶのはファンだけでしょ。

「カッコよかったろ。ナリさん」
「……スケートしてるときだけはね」

 氷の上であんなスピードを出せたら気持ちがいいだろうな。
  
「もうメッセージ送った?」
「まだ」
「教えてやるよ」

 プリントをわたしに渡すと、ポケットから携帯を取り出した。

「NHLのアプリをダウンロードして、そこから契約して見るのが簡単だ」

 ……アプリ?

「そんな便利なものがあるのか」
「ひとまず週に二、三試合あるフリーゲームを無料で見るとか。ハイライトなら全試合見られるからそこチェックするとか。安くもないからな」

 そういうと、アイツが携帯のロックをといて画面をみせてきた。

「これ」
「わかった。入れてみる」