氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。



 ◇


「入って……いいの?」

 当麻氷河に続いて中に入ると

 部室は、思ったより狭かった。

 おまけに物であふれかえっている。

 ロッカーが敷き詰めて並べてあり――それがこの圧迫感の原因ではあるのだが、ホワイトボードと薄型モニター、それから練習で使うと思われる道具などが置いてある。

 ビデオミーティング的なことをするには窮屈すぎない?

 部室というか。もはや倉庫。

「片付けなよ」
「そんな時間があるなら練習するかNHL見たい」

 仏頂面なアイスホッケーバカは、奥へと進んでいく。

 その背中をぼんやり見つめながら問いかけた。

ナショナルホッケーリーグ(NHL)って。そんなに面白い?」

 わたしの質問に、アイツの動きが止まる。

「纐纈さんの口からその単語を聞くとは」
「成澤も、言ってた。見てるって」
「最高に面白い」

 ――最高に、おもしろい

「……ふーん。じゃあ、見てみようかな」
「だけど。そこまで踏み込むと抜け出せなくなるかもしれねーよ」