氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

 頭がまわらない。

 冷静に、なにも考えられない。

 丸裸にされた気分。

「纐纈さんに向いてるのは。せいぜい、夕飯のつまみ食いとか夜更かしとか。その程度の悪だな」

 ……うるさい。

「ねえ、どこいくの」
「部室」

 部室…?

「テスト期間は活動できないはずじゃ」
「荷物取りに行く」

 ロッカーでもあって、スティックとか置いてあるのかな。

 そういえば教室には大きなスポーツバッグ持ってきてないよね。

 離された、手には

 まだアイツの温もりが残ってる。

「机の上に入部届け置いておく、って藍川さんが。必要ならお前もこれば」

 それを出せば、みんなの仲間になれるんだ。

 ……アイスホッケーにもっと触れられる。

「今から?」

 コイツのこと、近くで応援することができる。

「親の同意がいる。説得できたらサインしてもらって顧問に渡せ」

 顧問の先生?

 どんな人だろう。

「……痛い目みろって言ったクセに」

 助けてくれるなんて、思ってなかったのに。

「なんで来たの?」

 いくら窓から見えたからって。

 見捨てることもできたよね。

 放っておくって、言ったよね?

「気が変わった」
「当麻氷河」
「なんだよ」
「ありがと」