「アイツら、休みとれるかな」


笑里は2人の背中を見送りながら、ふと呟く。


「取れなきゃ取れないで、仕方ねぇだろ。アイツらが選んだ道だし」

「まぁね。明都は数少ないフライトドクターで、歩稀は人手不足の救命医だからね~」


煌樹も笑里も、もちろんあたしも2人の仕事をちゃんと理解している。

だから誰も責める者はいないが、同情してしまう。


「お待たせしました」


お母さんの準備が整ったのか、病院のスタッフに声を掛けられる。

病室にはお父さんが手配した、葬儀屋の人もいた。

その人とともに、病院のスタッフに案内され、外へと出る。

お母さんと煌樹は葬儀屋の車へと乗り込み、あたしと笑里、病院のスタッフと車を見送った。