ガチャ


「出ろ。」

兵士に言われて、重い鎖に繋がれ歩いた。

着いた先は、大きな広場みたいなところ。
豪華な装飾がされているお部屋。お城と何ら変わらない。けれどここは暗いイメージがある。



「お前がティアか。本当は殺すつもりだったが...既に城のものは死んだと思っている。部屋はあっという間に炎の海だからな。殺しはしない。逃げた時はその時は命はないと思え。容赦なくお前を撃つ。」

「どうやって、何故私を?」


「お前のいるテラスから火を放った。復讐だ。私の子がウィリアム国に討たれた。寝たきり目を覚さない。そのせいで妻も身体が弱い。娘は奇病にかかった。お前はその犠牲者というわけだ。」


「ウィリアム国が...あなたの子を?私の運命は死という事ですね。それなら死ぬ前にどうか私をつかって下さい。何でもします。死ぬ物狂いで!一生償い切れないほどの、罪を死ぬ時まで償わせて下さい!どうかお願いです。」


「ほぅ。死ぬまでか。お前に何ができるというのだ?」

「私は剣術や医術に詳しいです。大切な家族を助けさせて下さい。」


「お前には無理だ。国で有名な医者にも無理だといわれたのだ。私は黙って苦しんでいる姿を見ているだけという無様な父親。」


「諦めるのですか。それこそ無様です。」


「貴様!!!!!」


シュッ!!(剣の音)


腕から血が流れる。


「口を慎め。1ヶ月だ。1ヶ月経っても回復が見られなければ、お前は虎の餌食だ。ジン、案内しろ。」


「御意」