「…私のことは、もう気になけないで下さい。副社長に、力になってもらうことなんて何もありませんから」
と、冷たく答えた。
「そっか。じゃあ、これからも僕とこうやって会ってくれる? 」
「副社長と会うことなんて…」
「嫌だと言っても、会ってもらうから」
しつこい…なんで?
空はこの時、なぜ夏樹がここまで食い下がって来るのか分からなかった。
ただ空の中では突き放さなくては…と思うばかりだった。
とりあえず、これ以上は何も聞き出せないと思い、夏樹も一旦引き下がることにした。
帰り道。
送っていくと言った夏樹を、空は突き放して1人で帰ってしまった。
だが、気になった夏樹はそのままこっそり空の後をついていった。
空は駅から15分ほどの場所にある、住宅地のマンションに住んでいる。
3LDKの広めのマンションのようだ。
オートロックになっていて、セキュリティーも万全である。
こっそりついてきた夏樹は、空が家に入るのを見てホッとして帰っていった。
それからしばらく夏樹は、空の様子を見ていた。
力也と駅前で待ち合わせして一緒にどこかに行く空を見て、止めようとしたが、今口出ししてもそのタイミングではないような気がすると思いそのまま様子を見ていた夏樹。
社内で空と会っても、空は夏樹を避けてゆく。
それでも夏樹は、空が気になるばかりで思いは募ってゆくばかりだった。
梅雨の時期に来た入ってきた今日この頃。
6月中旬になり蒸し暑い日々も続いている。
社員の服装も夏らしくなってきた。
しかし営業部の男性社員はスーツ姿が欠かせない。
カフェテリア。
空がいつものように、1人で昼食をととるためにやって来ると、夏樹がとても可愛い女子社員と一緒に楽しそうにご飯を食べている姿が目に入った。
なんだ…ちゃんと彼女いるんじゃない。…
空はそう思って、ちょっとムスっとして1人離れた席に座ってお弁当を食べ始めた。
空がちょっと不機嫌そうにお弁当を食べていると、数名の女子社員が近くのテーブルでお昼を食べ始めた。
「あら、副社長と一緒にいるのって総務の崎山さんじゃない? 」
「本当だ。崎山さんって、いつ見ても可愛いわよね」
「うん、昔、雑誌の読者モデルに選ばれたくらいだもの。服社長といるとお似合いよね」
「崎山さんの家はお金持ちだし、お父さんは雑誌社の編集長でお母さんは、カリスマ美容師なんだよね」
「家柄もいいし、副社長と付き合っているって噂よね」
「あのくらい可愛い子なら、副社長だって好きなるわよね」
空は女子社員の噂話しを耳にして、なんとなくモヤッとしていた。
(僕は藤野山さんの味方だよ…)
夏樹に言われた言葉が、頭の中をよぎった。
あんな可愛い彼女がいて、私にあんな言葉言えるなんて。
自分に惚れない女いないって思っているからなんだね。
それに、あの時は、私が資料室でこっそり写した写真が見たかったようだし。
油断させて探ることが目的で、あんなこと言ったんだ。
モヤッとした気持ちが混み上がってきて、なんとなく空はイラっとしていた。
どうしてこんな気持ちが混み上がって来るのか、自分でも解らず。
いつもならゆっくり食べているお弁当を、今日はいつもより早く食べてしまった空。
と、冷たく答えた。
「そっか。じゃあ、これからも僕とこうやって会ってくれる? 」
「副社長と会うことなんて…」
「嫌だと言っても、会ってもらうから」
しつこい…なんで?
空はこの時、なぜ夏樹がここまで食い下がって来るのか分からなかった。
ただ空の中では突き放さなくては…と思うばかりだった。
とりあえず、これ以上は何も聞き出せないと思い、夏樹も一旦引き下がることにした。
帰り道。
送っていくと言った夏樹を、空は突き放して1人で帰ってしまった。
だが、気になった夏樹はそのままこっそり空の後をついていった。
空は駅から15分ほどの場所にある、住宅地のマンションに住んでいる。
3LDKの広めのマンションのようだ。
オートロックになっていて、セキュリティーも万全である。
こっそりついてきた夏樹は、空が家に入るのを見てホッとして帰っていった。
それからしばらく夏樹は、空の様子を見ていた。
力也と駅前で待ち合わせして一緒にどこかに行く空を見て、止めようとしたが、今口出ししてもそのタイミングではないような気がすると思いそのまま様子を見ていた夏樹。
社内で空と会っても、空は夏樹を避けてゆく。
それでも夏樹は、空が気になるばかりで思いは募ってゆくばかりだった。
梅雨の時期に来た入ってきた今日この頃。
6月中旬になり蒸し暑い日々も続いている。
社員の服装も夏らしくなってきた。
しかし営業部の男性社員はスーツ姿が欠かせない。
カフェテリア。
空がいつものように、1人で昼食をととるためにやって来ると、夏樹がとても可愛い女子社員と一緒に楽しそうにご飯を食べている姿が目に入った。
なんだ…ちゃんと彼女いるんじゃない。…
空はそう思って、ちょっとムスっとして1人離れた席に座ってお弁当を食べ始めた。
空がちょっと不機嫌そうにお弁当を食べていると、数名の女子社員が近くのテーブルでお昼を食べ始めた。
「あら、副社長と一緒にいるのって総務の崎山さんじゃない? 」
「本当だ。崎山さんって、いつ見ても可愛いわよね」
「うん、昔、雑誌の読者モデルに選ばれたくらいだもの。服社長といるとお似合いよね」
「崎山さんの家はお金持ちだし、お父さんは雑誌社の編集長でお母さんは、カリスマ美容師なんだよね」
「家柄もいいし、副社長と付き合っているって噂よね」
「あのくらい可愛い子なら、副社長だって好きなるわよね」
空は女子社員の噂話しを耳にして、なんとなくモヤッとしていた。
(僕は藤野山さんの味方だよ…)
夏樹に言われた言葉が、頭の中をよぎった。
あんな可愛い彼女がいて、私にあんな言葉言えるなんて。
自分に惚れない女いないって思っているからなんだね。
それに、あの時は、私が資料室でこっそり写した写真が見たかったようだし。
油断させて探ることが目的で、あんなこと言ったんだ。
モヤッとした気持ちが混み上がってきて、なんとなく空はイラっとしていた。
どうしてこんな気持ちが混み上がって来るのか、自分でも解らず。
いつもならゆっくり食べているお弁当を、今日はいつもより早く食べてしまった空。



