夏樹と空の恋物語


 必要な荷物をボチボチと運んできた夏樹。

 寝室のベットは枕を2つにして、空が使っているベッドをそのまま使っている。

 
 食器も夏樹の分を増やして、殆ど新婚生活のような気分で過ごしている。


 朝ご飯を夏樹が作って、夕ご飯は空が作る。

 休みの日は一緒にご飯を作って。

 とっても楽し日々である。




 そして。

 忍に誘われて、夏樹と一緒に空は宗田家に行く事にした。



 宗田家はお屋敷のように広く。
 
 空はびっくりしていた。


「緊張しなくていいよ。もう、父さんとも母さんとも会っているじゃないか」

 夏樹が緊張している空を慰めてくれた。





「空ちゃんいらっしゃい」

 樹利亜と忍が喜んで迎えてくれた。



 広いリビングに通され、食卓のテーブルに座ってお茶を飲みながら、他愛ない話をして笑い声が響く。


「ところで、結婚式は決めたのか? 」

 忍が尋ねると、夏樹と空は顔を見合わせた。


「ん? なんだ? 結婚式の話しはまだ決めていなかったのか? 」

「そこまで考えていなかったよ。今の生活が楽しくて。でも、そろそろ入籍しようかって話はしていたよ」

「そうだな、入籍は早めにしたほうがいいだろうな。結婚式は、いつでもできるからな」

「うん。兄さんも帰ってきたし、もうちょっと落ち着いてからでもいいと思っているよ」

「そうか」


  
「でも、あなた達。ずっと、空ちゃんのマンションで暮らすつもりなの? 」

 樹利亜が尋ねた。

「ああ、しばらくはそうするつもりだよ。父さんも母さんも元気だし。やっと2人きりになれたんだから、2人の時間を過ごすのもいいと思うし」

「そうね。でも、この広い家に2人きりだとちょっと寂しいわ」

「そうだな」

「でも新婚さんのじゃましても、いけないしね。子供ができるまでは、2人で暮らすほうがいいかもしれないわね」