「ねぇ、ちょっと真城さん。言いたいことがあるんだけど」

私たちのただならぬ空気によくわからない表情を浮かべる星羅ちゃん。

隣を歩いていた惺くんはサッとその間を抜け、1番後ろでオドオドする私のところへさりげなく近づいてきた。

「何があったんだ」

「星羅ちゃんが時雨を泣かせたの」

「はぁ.....星羅めんどくさいこと持ち込むなよ」

「惺くん止めてよ」

「は?無理だから。紗夜がやれ。よく星羅と喧嘩してただろ」

「私朝までピアノ弾いて疲れたの」

「関係ねぇから!」

放課後より不機嫌な惺くんとコソコソと言い合う。

近くにいた女子にバレそうになったから慌ててやめたけど。