「幻覚が見えちゃったのかな?そんなに森本紗夜のこと好きだったんだね。ちょっと同情するかも」

「.....」

奈穂の言葉に余計に罪悪感が湧いてくる。

「芽唯?どうしたの?」

「な、なんでもないよ」

「芽唯はさ.....。真城星羅のことどう思うの?芽唯って人の悪口とか絶対言わないじゃん?」

「絶対言わないわけじゃないよ。私にとって真城星羅は.....少なくとも嫌いじゃないから」

いや、むしろ大好きだよ。

出かかったそんな言葉を懸命に飲み込む。

「え!?どうして?」

「まぁ.....。いろいろ、ね。今度話すよ。私、トイレ行ってくる」

すごく曖昧に誤魔化してしまった。

奈穂は不思議に思っているだろうな。

でもこう言う以外に思いつかなかった。

「はぁ.....」

1人ため息をついてまた教室に戻るのだった。