「大丈夫か?」

「大丈夫です。すみません」

「俺、帰るけどお前は?」

「私も帰ります。あの.....ありがとうございました」

「ん。明日も来んの?」

「え.....来ていいんですか?」

「別にお前邪魔になんなそうだし」

「.....じゃあ来させていただきます」

「名前は?」

「え?」

「名前だよ、名前。お前の」

「あ、菅野芽唯です」

惺くんは急に話題を変える人だ。

目まぐるしく変わる質問にはついていけない。

「菅野芽唯.....ね。あと敬語はやめろ」

「わ、わかった」

「あ、時間やべ。じゃあ俺帰るわ」

「うん、じゃあね。せ、野山くん」

もう少しで惺くん.....と言ってしまうところだった。

危ない危ない.....。


それにしても.....

流れに任せてこれからもここに来ることになってしまった。

なんとしてもバレないようにしなければ.....っ。