「芽唯可愛すぎるんだけど.....っ。これはきっと男子からモテるね」

フルフルと勢いよく首を横に振ったらウィッグがずり落ちそうになった。

ギリギリセーフ.....っと。

それには気づかず、私を見てまた笑っている浅野さん。

「芽唯は普通科?」

「うん。浅野さんも.....?」

「浅野さんじゃなくて奈穂って呼んで?」

「わかった。奈穂も普通科?」

「私は看護科。将来看護師目指してるんだ」

「すごい.....っ」

「すごくないよ。そんなに感激されると照れる」

奈穂は本当に照れたように顔を隠す。


「惺、じゃあね。.....あなた邪魔よ。そこどきなさい」

急にとんでもない自己中っぷりを発揮しながら、教室に入ってきた女子。

惺.....?

それにこの声ってもしかして.....。

「うわぁ.....。最悪。噂の真城星羅と同じクラスとは.....」

「真城星羅.....!?」

「え.....?芽唯知らなかったの?ここって日本で最高峰の音楽科がある学校として有名じゃん?だから天才ピアニストの真城星羅と野山惺が来るっていう噂ずっと前からあったよ」