そんな感じだったから行きたい高校なんてなかった。

だからお母さんが指定した学校を受験した。

設備も新しく、学校の雰囲気も良いと評判の学校だったらしい。

その名も“鈴掛学園”。

私立だったため、お金の負担をかけないようにと特待生になるためにその夏から一生懸命勉強してきた。

結果は.....

見事特待生Aで入学できる権利を獲得。

そして今まさにそこへ向かっている。




ここまでざっと振り返って、はぁ.....と1つため息をついた。

ふと電車のモニターを見ると、次が目的の駅。

慌てて荷物を抱え直し、降りる準備を整える。


―――私の勝負はここからだ。


私はもう逃げたりしないと覚悟を決め、勝負の舞台へと1歩踏み出すのだった。