あれから私はピアノをやめた。
私を先生と出会わせたピアノなどやりたくもなかった。
でも.....
気づけば指が動いていて、体があの感覚を欲していた。
その度に涙が溢れてくる。
弾きたくない.....でも弾きたい。
そんな気持ちがせめぎあい、どうしていいのかわからなくなってしまっていた。
そうしているうちに涙さえ出なくなってしまった私。
学校にも行かず、ただ感情をなくした人形のように毎日を過ごしていた。
あれは中学3年生の夏のことだったかな。
「.....紗夜?話があるの」
私の部屋にためらいがちに入ってきたお母さん。
誰もがこんな私の扱いに困り、遠ざかっていくなか、両親だけは私を元気づけようとずっと頑張ってくれていた。
「なに?」
「.....高校受験してみない?もう中3だし、ね?」
「高校なんて行かなくていい」
「お願い。高校にすら行かないと将来何も仕事がなくなるわよ」
「.....」
「お母さんもね.....ずっとこんな紗夜見ているの辛いの.....っ」
お母さんはそう言って泣き出してしまった。
私がお母さんの涙を見たのは初めてで。
ずっと私のために動いてくれていたお母さんを泣かせてしまったことへの罪悪感が湧き上がっできた。
だから気づいたら
「わかった。高校受験するよ」
そう答えていたんだ。
私を先生と出会わせたピアノなどやりたくもなかった。
でも.....
気づけば指が動いていて、体があの感覚を欲していた。
その度に涙が溢れてくる。
弾きたくない.....でも弾きたい。
そんな気持ちがせめぎあい、どうしていいのかわからなくなってしまっていた。
そうしているうちに涙さえ出なくなってしまった私。
学校にも行かず、ただ感情をなくした人形のように毎日を過ごしていた。
あれは中学3年生の夏のことだったかな。
「.....紗夜?話があるの」
私の部屋にためらいがちに入ってきたお母さん。
誰もがこんな私の扱いに困り、遠ざかっていくなか、両親だけは私を元気づけようとずっと頑張ってくれていた。
「なに?」
「.....高校受験してみない?もう中3だし、ね?」
「高校なんて行かなくていい」
「お願い。高校にすら行かないと将来何も仕事がなくなるわよ」
「.....」
「お母さんもね.....ずっとこんな紗夜見ているの辛いの.....っ」
お母さんはそう言って泣き出してしまった。
私がお母さんの涙を見たのは初めてで。
ずっと私のために動いてくれていたお母さんを泣かせてしまったことへの罪悪感が湧き上がっできた。
だから気づいたら
「わかった。高校受験するよ」
そう答えていたんだ。