それから、当時天才小学生のと称されていた星羅ちゃんと惺くん越えで優勝した私は一躍有名になった。

テレビへの出演オファーが来たりインタビューを受けたりと今までとは全然違う毎日。

ただずっと私が3人に勝っていたわけでもなく、星羅ちゃんや惺くんと同じコンクールに出ると、私が負けることももちろんあった。

勝率的には私と星羅ちゃんが半々、たまに惺くん、くらい。

だから惺くんは星羅ちゃんに言わせるとライバルでは無いらしいんだけどね。

でも私たち3人は競い合いながらも仲良くなり、私は2人のことを“星羅ちゃん”“惺くん”と呼ぶようになった。

ライバル兼親友という誰もが憧れるような関係。

でも2人のおかげで人と関わることが苦手だった私も人と話すことができるようになった。

クラスの人とも話せるようになったのは大きな進歩で人にあからさまに嫌味を言われることも無くなったし、友達もできた。