「紗夜(さや)ちゃんってなんでいつも1人でいるの?」

「.....」

「よかったら私たちと遊ぼ?」

「.....」

「どうして答えてくれないの?」

「.....」

「.....もう行こうよ。紗夜ちゃんと話しててもつまんない」

「そうだね...。なんにも答えてくれないし...」

「あーあ、せっかく優しくしてあげたのに。私紗夜ちゃんのこと嫌い」

「.......っ」


子供特有の真っ直ぐで素直な言葉が凶器となり私の心に容赦なく刺さる。

その日も私は去っていく、いくつかの小さい背中を眺めながら一粒の涙を零した。



幼い頃からとにかく自分の気持ちを伝えることが苦手だった私。

小学校に入ってからはクラスメイトや先生とまともに会話したこともなかった。

ただ楽しそうなクラスメイトを眺めながら教室の端っこで淡々と学校生活をこなす日々。







―――でも小学一年生のあの日、私の人生は180度変わった。