きらきら星に魅せられて

「2人の演奏凄かったでしょう?」

「凄かったです.....。誰とも比べものにはならないほど上手でした」

「でもね、紗夜」

先生は改まったように私に目線を合わせてしゃがみこんだ。

「今日の演奏、紗夜も負けてなかったと思うのよ」

「ほんとですか.....?」

「ええ。ほんとよ?ただ今のままじゃすぐに2人は先に行ってしまうわ。なんでかわかる?」

「わかりません」

「紗夜はモーツァルトばかりやりたがるでしょう?」

「.....」

そう。私は先生のきらきら星変奏曲に追いつきたい一心で他の作曲家の曲はあまりやっていなかった。

「先生は1番好きなのはモーツァルトだけど、1番得意なのはショパンなのよ。だからやってみたら他にも得意なのが見つかるかもよ?」

「先生、ショパンが得意だったんですか!?」

「まぁ...ね。紗夜もショパン挑戦してみない?」

「私、弾けるかな.....」

「そんなの弾いてみないとわからないわよ。あのね、ショパンコンクールって知ってる.....?」