「私はもう行くわ。慎哉も行くわよ」

「俺はまだ.....」

「あとはその子に任せなさい」

ふふっと笑って壁の方を見る美沙さん。

その先には.....惺くんがいた。


「.....惺くん」

「あのさ.....俺がいるから」

「.....え?」

「俺が紗夜を守るから.....っ。絶対離れないから.....っ。堀田郁花さんの代わりになるかわかんないけど、誰よりもお前のこと大切にするから.....だから俺を頼ってくれ!」

いつもこんなに感情を露わにすることがない惺くんの必死な様子にまた涙が込み上げてくる。

「.....惺くん」

「泣くのはもうこれで最後だぞ。泣き虫紗夜」





惺くんの胸で泣き続ける私の遥か頭上にはいつからか無数の星たちが静かに瞬いていた。