「あとは俺たちの一騎打ちだってさ」

2位発表を目前にして突然私の目の前に現れたお兄ちゃん。

「賭けしないか?」

「賭け?」

「お前が勝ったら俺がなんでも言うこと聞く代わりに俺が勝ったらお前がなんでも言うこと聞く」

「.....いいよ」

今のお兄ちゃんならもう私を傷つけない。

なぜかそう直感した。


「2位」

誰もが固唾を呑んでその発表を待っている。

「カイル・ケネディ」

湧き上がる歓声が遠くに聞こえる。

私.....勝った?

優勝したの.....?

「1位 森本紗夜」

その発表を聴く前にはもう涙はとめどなく溢れていた。

「紗夜.....!おめでとう!」


先生.....先生.....私、優勝したよ。

約束果たせた。

ちゃんと見てくれてますか?