第1次審査5日目。

「真城星羅じゃないか」

「あらカイル・ケネディじゃないの」

もうすぐ出番だというのに1番会いたくなかった人物に出会ってしまった。

「随分と嫌そうな顔だな」

「紗夜が失踪していた理由ってあなたでしょう?あの日、あなたが出ていったあと、紗夜は様子がおかしかったもの」

「よくおわかりで。でも俺だって意味なくこんなことしてるわけじゃないんだ」

「あなたは紗夜とどういう関係?」

「兄」

「嘘.....」

「嘘じゃないさ。これには事情がありすぎる。誰にも話すつもりはないけどね」

「だからって....。紗夜を傷つけないで」

「もうこうするしかないんだよ」

「あなたって意味がわからないわ」

「よく言われるよ。自分でもしていることの意味がわからなくなる時がある」

「.....」

「じゃあ俺はこれで。出番はもうすぐなので」