第1次審査4日目

鳴り止まない携帯の着信音で目が覚めた。

「ん.....。眠いのに.....」

寝ぼけたまま携帯を手に取る。

「はぁい、もしもしぃ」

[ちょっと紗夜!もしもしぃじゃないわよ!]

「せ、星羅ちゃん」

一気に目が覚めた。

[私とはまだ1回も話してないのに惺と付き合いはじめたんだって?冗談じゃないわよ。私の紗夜を返せ!]

「き、キャラ崩壊しちゃってるよ.....。ほんとにごめんね。じゃあ今日も行くから星羅ちゃんも一緒に行く?」

[私に人のデート邪魔するような趣味はないわよ]

「で、デート!?デートじゃないよ。ただ私の演奏探しの旅に出てるんだよ」

[は?なにそれ?]

「いろんな風景にね、色を探すの。それを演奏に生かせるように。星羅ちゃんも行こうよ。私、3人でお出かけしたい」

[まぁそれなら行くわ]

「やったー!じゃあショパンコンクールの会場に集合ね」

「わかったわ」